第56回スーパーボウルのハーフタイムショーに世界のヒップホップ界を牽引する5人が集結する。
【グラミー賞受賞歴】
ドクター・ドレ 6回
エミネム 15回
ケンドリック・ラマー 13回
スヌープ・ドッグ 0回
メアリー・J. ブライジ 9回
グラミー賞受賞歴数43回を誇る5人はビルボードのトップアルバム数でも22回を誇る。つまり世界を牽
引してきたレジェンド達でありこれからもリードするスーパースター集団である。
代表曲『Young, Wild & Free 』で知られるスヌープ・ドッグがグラミー賞を受賞した経験が無いことも
驚きである。
2019年8月、ジェイ-Zの会社であるロックネーションとNFLが正式にパートナーシップを結びスーパー
ボウルのハーフタイムショーを演出することになった。
ロックネーションにとって3回目となる今回、スーパーボウル開催地はロサンゼルス。世界のトレンド
地かつヒップホップの聖地でありドクター・ドレやスヌープ・ドッグ、ケンドリック・ラマーの地元で
もあり歴史に残るパフォーマンスになるはずだ。
2019年、ジェイ-ZがNFLとパートナーシップを結んだ際に
「NFLのよくないところは、Hiphopはもう20年以上も人気なジャンルなのに、Hiphopがまだイケてないと
思っているということ。」
と語っていた。NFLがヒップホップジャンルを認めるようになった偉大な瞬間でもあった。
NFLはNBAに比べ若年層獲得にしばらく苦労している。NBAはヒップホップやスニーカーカルチャーと
のシナジーも強くソーシャルメディア上でも人気の差は歴然である。
NBA Instagram Account:約6000万人
NFL Instagram Account:約2000万人
このような背景もありながらNFLはヒップホップを取り込む動きになったようだ。
2022年2月13日(日本時間14日)に開催されるスーパーボウルは約30年ぶりとなるロサンゼルス開催。
ロサンゼルス・チャージャーズとロサンゼルス・ラムズの本拠地である『SoFi Stadium』が舞台。
2020年9月に完成したばかりの超大型スタジアム兼エンターテイメント施設になっている。
総工費は$5.5billionと言われており日本円で約6000億円。世界のスポーツ施設において最高額となってい
る。2010年に完成したニュージャージー州にあるMetlife Stadium(ニューヨーク・ジャイアンツと
ニューヨーク・ジェッツの本拠地)がこれまでの最高額で$2.0billionであったことからSofi Stadiumの規模
感が伝わる。
フィールド上部には巨大スクリーンも設置されておりスーパーボウルでのド派手な演出に期待がかか
る。ジェイ・Z率いるスーパースター5人のパフォーマンスとSofi Stadiumの最新ファシリティで演出され
るパフォーナンスが注目される。
歴史的瞬間になるであろう第56回スーパーボウル。スーパーボウルは世界的なイベントであり40%を超
える視聴率、世界で1億人以上が視聴する。
アメリカのテレビ史において歴代視聴者数トップ10のうち9つがスーパーボウルである。2015年に開催
された第49回スーパーボウル(ニューイングランド・ペイトリオッツvsシアトル・シーホークス)が叩
き出した約1億1440万人を上回る期待もかかる。
アメリカでは人気が故に金銭的事情やトラブルが付き物。様々な伝説がある。ハーフタイム時に流れる
テレビコマーシャルやトイレの水道管問題、生放送の放送事故を防ぐための遅延送出システムなどな
ど。とにかく凄まじい歴史的記録の裏には目に見えない多くの物語がある。
その中でも一つ。
スーパーボウルハーフタイムショーに出演することはアーティストにとって最大の名誉と言っても過言
ではない。多くのアーティストがそう口にしてきた。そこには金銭的事情ももちろん絡む。全米で40%
を超える視聴率であり世界中が注目するハーフタイムショー。世界中が認める選ばれしアーティストに
送られるギャランティーはいくらなのか。
その答えは"ゼロ"である。
ギャランティーゼロの歴史はマイケル・ジャクソンから始まる。1993年に出演したマイケル・ジャクソ
ンはこう言った。
「夢を見るにはお金はかからないよ」
スーパーボウルは世界中で中継される上に世界各地に駐在していたアメリカ軍関係者もリアルタイムで
見てもらえることとなりマイケルはNFLからのオファーを受けた。
スタジアムに設置された大型スクリーンにマイケルが映し出されたかと思うと中央ステージに瞬間移動
したように演出されたマイケルはステージに飛び出してから約1分半微動だにしなかった。世界中が釘
付けになったマイケルのパフォーマンスは過去最高の結果を残しハーフタイムショーの文化を作った。
以降、毎年ハーフタイムショーは最大のエンターテイメントとして楽しまれており、今年はさらに特別な年になりそうだ。今までと違うスタートライン。我々に感動と勇気を与える世界最高峰のエンターテイメントを楽しもう。
Comments